おでんのタコ、柔らかくする方法と色移りの対策

今回は生食用のタコを利用して、おでん向けに柔らかくする方法と、色移りを防ぐ対策を検証してみた。調理方法とあわせて紹介していく。

タコは牛すじとともに関西を代表するおでん種だ。東京のおでん種専門店では店頭の調理済みおでんで見かけることが多い。適度に弾力のある食感とぎっしり詰まった旨味が魅力で、一度食べたら病みつきになること間違いなし。しかし、調理にはちょっとしたコツが必要だ。

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ネットで探るとこの2つについて膨大な情報が掲載されているが、柔らかくするために「短く茹でる」「長く茹でる」といった相反するTipsが存在する。また、色落ちを防ぐために「1分下ゆでする」など簡潔に紹介しているものがあるが、実際どれだけ効果があるのかわからない。タコはそれなりに高価なので、自身で確実な方法を把握しておきたい。

生のタコを茹でる方法も多数見つかる(おそらく釣り人向け)が、日常のおでんに使うには高価すぎるし下ごしらえも面倒だ。今回は実用性を重視して街中の鮮魚店で売られている生食用のタコをチョイスし、効果がある程度わかるように検証結果を交えて調理方法を紹介していく。

日常のおでんには手軽な生食用の煮ダコ、蒸しダコがおすすめ

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上写真の左が明石産、右がモーリタニア産だ。どちらも一般的に多く出回っている煮ダコや蒸しダコだ。「刺身用」や「生食用」と記載されているものもあるが、呼び名が違うだけで大抵のものは煮るか蒸すかの下ごしらえをしてある。

マダコは瀬戸内海周辺で6月から9月にかけて、三陸だと11月から12月が旬となる。大ぶりながら身が締まっており、空腹を満たすボリューム感と圧倒的な美味しさで、おでんに使用されるタコの代表格だ。タコの栄養価は高く、肝機能の解毒作用を高めるタウリンや三大栄養素のひとつであるタンパク質、血管の老化を防ぐビタミンE、皮膚や粘膜の健康を維持するナイアシンを含んでいる。

ちなみに、や日本橋のコムデギャルソン☆バックなどではイイダコを扱っている。おでんで使用されるのは片手で包み込めるほどの小さなサイズのもので、旨味がぎゅっと詰まっている。

生食用のタコはもちろんそのまま食べても美味しいが、弾力があるのでおでんにするには固い印象となる。しかし、適切な調理を行うことによって驚くほど柔らかくなる。

タコを選ぶポイントは、一般的に艶があり暗い赤色のもの、吸盤の大きさが揃ったメスがよい(オスでもじゅうぶん美味しい)とされている。美しく仕上げたい場合は、皮が剥がれていないものを選ぼう。保存はラップを二重に包んで冷凍し、使う際は自然解凍か流水解凍(水に触れないようフリーザーバッグなどに入れておく)でオッケーだ。

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第1のポイント、タコを柔らかくするための工夫を紹介しよう。ネットで紹介されている方法は主に4つ。1. 棒や大根で叩く、2. 大根おろしで揉む・大根やおろし汁と煮る、3. 重曹を加える・炭酸水で煮る、4. 弱火で長時間煮る。

それぞれの根拠は以下のとおり。
叩く:筋肉組織を物理的に破壊することで柔らかくする
大根:含有する消化酵素が筋肉組織内のタンパク質を分解する
炭酸水と重曹:重曹(炭酸水素ナトリウム)がタンパク質を分解する
弱火で長時間煮る:加熱により筋肉組織内のタンパク質を部分的に破壊する

このうち、おでんに適した手軽な方法としては「棒で叩く」と「弱火で長時間茹でる」だ。大根はメインのおでん食材なので叩いて雑に扱いたくないし、一緒に煮ると色移りが心配だ。大根おろしやおろし汁をわざわざ用意するのも面倒だし、炭酸水や重曹は常に手元にあるわけではない。

ということで、まずは棒で叩く方法を検証してみた。タコの身を叩くことにより、筋肉の繊維が壊れて柔らかくなるという。料亭などでも使われているテクニックなのだそうだ。

最初にタコを適度な大きさに切る。足(腕)の先端の食感が気になる場合は取り除くが、この記事ではそのままにしている。次に、表面、側面、裏面、すべての面をすりこぎで叩いていく。ゴムのような張りと芯がある感触から、ぶにょぶにょとした感触に変わるまで叩こう。

このとき、仕上がりにこだわるなら乱暴に叩かないこと。吸盤を破損したり、側面の皮が裂けるのは最小限にとどめておいたほうがいい。とくにすでに煮たり蒸したりしてあるので、皮が非常に繊細になっている。しかし、どんなに丁寧に扱っても長く加熱すると皮は剥がれやすくなる。くたびれた風合いも味なので、あまり神経質にならなくてもいいかもしれない。

鍋に移してから15分ほど弱火で茹で、叩いたものと手を加えていないものの柔らかさを比較してみた。その結果、叩いたほうが確実に柔らかくなることがわかった。しかし、鶏ささみのように房ごとに分かれたような食感になってしまった。違和感というには些細なものだが、この食感をなくすならもうすこし念入りに叩いたほうがいいのかもしれない。しかし、柔らか効果は絶大である。

次に、弱火で長く茹でる方法を検証してみた。手を加えていないタコをそれぞれ25分、1時間茹でたものを試食したところ、25分のものは弾力が残るものの、不快な固さは感じられなかった。むしろぷりぷりしたタコの食感をほどよく楽しめるので、イヴサンローランリヴゴーシュ サンダル 36の筆者としては好みの仕上がりだ。

1時間茹でたものは弾力が消えて「これは柔らかい!」と太鼓判を押すできばえ。とろけるような食感に変わり、旨味もにじみ出てくるようだ。叩いたタコも同じ時間茹でてみたが、柔らかさの違いはほとんどないのではと思った。

なお、長く茹でるほど柔らかくなるが、タコの旨味が茹で汁に逃げてしまうので45分から1時間程度にとどめておくといいかもしれない。

生食用のタコを柔らかくする検証:大根・炭酸水と重曹

柔らかくするには弱火で長時間茹でればいいと分かったが、念のため大根おろしで揉んだタコと炭酸水で茹でたタコも検証してみた。

大根はおろした汁も含めて使い、タコをよく揉み込んだ後に30分ほど漬け込んだ。茹でるときにもおろし汁を加え、15分タコを茹でた。

炭酸水と重曹バージョンは両方加えてタコを15分茹でた。炭酸水と重曹は同じ成分(炭酸水素ナトリウム)なので、実際はどちらかを使えばいいだろう。なお、重曹を入れすぎると泡が発生して煮こぼれするので、適量を守って水に加えてほしい。

この2つの検証を行ったところ、手間のわりにとりたてて目立った成果は得られなかった。どちらも弾力が残り、固い食感のままだった。漬け置き時間や分量などの影響があるのかもしれないが、15分という短い茹で時間が柔らかくならない原因のように思う。

以上の検証の結果、叩くなどの手を加えないで長く茹でる方法が「もっとも美しく、手軽に美味しくできあがる」という結論に至った。測定器を使わなければ正確な柔らかさを測れないし、柔らかいと感じる基準も人によってまちまちだ。手にしたタコや茹でる環境によっても仕上がりは変化するので、味見をして確かめることが重要だ。今回の記事を参考にして、その都度自身で確かめてみていただきたい。

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第2のポイントはタコの色落ちによる他のおでん種の色移りを防ぐことだ。ネットでは「1分ほど別鍋で下ゆでする」方法が多数紹介されていた。また、番茶や茶葉を加えて茹でる方法も一般的なようだ。

試しに1分ほど下ゆでしたタコを茹で玉子と一緒に25分ほど火にかけて、色移りの検証をしてみた。下ゆでした茹で汁は捨て、新しい透明の水に取り替えた。

まずはネットで紹介されている「1分ほど下ゆで」したものが上の写真。茹で汁はピンク色に変化しているので、短い時間ながら効果は期待できそうだ。

次に、1分下ゆでしたタコがどのくらい色落ちをしないのかを検証する。水は透明の綺麗なものに取り替えて玉子と一緒に25分茹で直し、茹で汁と玉子への色の影響を調べてみる。

結果としては、やはり茹で汁は染まるようだ。しかし、上の写真を見るかぎりでは玉子への影響はないように思える。

別の角度から玉子の染まり具合を見ると、うっすらとピンク色になっていることがわかる。やはり若干の影響はあるようだ。

こちら(上写真)は、1分下ゆでを行わずに25分茹でたもの。撮影状況やタコの色味の個体差にもよるため正確な比較はできないが、1分下ゆでした玉子のほうが影響が少ないように思われる。

タコとは別の鍋で調理したおでん汁(上写真左)と、1分下ゆでしたタコと一緒に調理したおでん汁(同右)の比較。若干ではあるが色味が赤っぽくなるのは避けられないだろう。出汁や醤油の色が濃ければ気にならないかもしれないが、関西系の透き通ったおでん汁を目指す場合はなんらかの配慮が必要だ。

それでも、タコの茹で汁を加えるとおでん汁の風味が複雑になり美味しくなる。別鍋で調理した後、適量をおでん鍋に合流させるといいだろう。ちなみに上写真は茹で汁を適量合流させてから、1日ほど冷ましたもの。若干影響はあるようだが、火を止めてからの色移りは抑えられているように思える。

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京都にあるおでん屋さんのオムニバス超 セル&セルジュニア(京都府京都市東山区宮川筋1-237)では、タコにしっかり味が染みていながらおでん汁の色味にまったく影響が出ていなかった。おそらくタコは別で調理し、客前で合わせているだと考えられる。ちなみに、蛸長ではタコに隠し包丁を入れており、ひと口ごとに食べられる配慮がなされている。

番茶や茶葉を入れて色落ちを防ぐ方法も試してみた。こちらも料亭などで使われているテクニックだ。ペットボトルのほうじ茶を鍋に注ぎ、タコを3分ほど下ゆでしてみた。

火を止めてから透明の水に替えて、さらに25分ほど茹でる。結果としては茹で汁に色はついたが、水で下ゆでするよりも色落ちはほんの少しだけ防げているようだ。

一説によるとお茶に含まれるタンニンがタコに色を定着させる効果があるというが、詳しい根拠はわからない。通常に茹でたタコに比べて、彩度が下がり褐色に近い風合いになる。色移りよりも、タコの発色を抑えたいときに有効な手段かもしれない。

おでんのタコの調理方法と検証のまとめ

最後に調理方法を簡単に紹介しながら、今回の検証のまとめを行ってみよう。なるべく簡単に、そして色移りを最小限にとどめる方法を採用している。

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次に生食用のタコを食べやすい大きさに切る。包丁をスライドさせずに心持ち押し切ったほうが形が崩れにくい。また、吸盤を避けて切れ目を入れることにより、タコの美しい形をキープできる。足(腕)の先端の食感が気になる場合は、包丁で切りとっておく。

タコを別鍋に入れ、弱火で茹でる。途中でおでん鍋の汁を加え、合計で45分から1時間ほど煮る。タコ用の鍋、おでん鍋ともに一旦冷まして再度加熱すると味の深みが増すので、好みで時間をかけてもいい。

最後にタコ用の鍋からタコをすくいあげ、おでん鍋に加える。皮が剥がれやすいので網杓子を使うか、吸盤など側面を持つようにする。色移りが気にならなければ、好みでタコの茹で汁をおでん鍋に加える。タコの茹で汁はとても美味しいので、たこめしなど別料理に使ってもいい。

最後に温めなおして完成。タコにしっかり味が染み込み、柔らかく仕上がった。ほかの種やおでん汁に色移りもなく、美しい色を保っている。

タコの柔らかさも食感も、人によって好みはさまざまだ。この記事を参考にしながら、自分で試行錯誤してみるとお気に入りの調理方法を見つけることができるだろう。色移りも完全に好みなので、茹で汁の美味しさとのトレードオフで検討してもらいたい。

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